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xiang blog

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辻一弘氏の短編ドキュメンタリー『The Human Face』を観て

www.lift-off-festivals.com


辻一弘氏の短編ドキュメンタリー『The Human Face』が観たくてTokyo Lift-Off Film Festival 2018に行ってきました。

UPLINKって何度行っても良い映画館だなって思う。


「表面は氷山の一角」

骨格や筋肉、肉付き、皮膚の質感、バランス、身体をよく観察して表現するにあたって、
彼は「内面が表面に現れる」ということにとても重きを置いていた。



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幼い頃からとにかく自分の顔が嫌いで、コンプレックスに思ってきた。

形成、美容外科のサイトを見て手術費用を計算してみたり、親に「何でこんな顔にしたのか」と詰め寄ってみたり(申し訳ない)
とにかく「顔」を変えなくては、という気持ちをずっと持っていた。

16歳程になるとメイクを覚え、ある程度のコンプレックスを解消する術を覚えることができたものの

顔への興味は止まず、暇さえあれば「気になった顔」を持つ人の名前をGoogle検索し、「魅力的な顔」を持つ人の画像を眺めていた。


そういった遍歴によって、筋肉の動きで同じ顔、同じメイクでも違った印象を与えることができること、

その人の持つ生まれつきの骨格はもちろん、歯の噛み癖だったり、運動、日々の所作の癖によって
歪み、ズレが生まれ、それにより筋肉、脂肪の付き方が違ってくること、

眉と眉の間、眉と目の間、額の幅、鼻と唇の間、パーツの配置などの

微細な事柄が大きく印象を変えることに気付くことができたし、

顔でその人自身の内面を探る「観相」や「ゆらぎ」など「顔」にまつわる様々な事柄を知ることができた。

今でも他人の顔は興味深いままだ。

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先日、「第90回アカデミー賞、メーキャップ&ヘアスタイリング賞を日本人が受賞」というニュースが目に入った。
特殊メイクアップアーティストの辻一弘氏だった。

「一度は海外で生活した方が良い」、「他人の言う事は気にするな」という言葉や、「日本人が受賞」という事柄が
メディアやSNSで大きく取り上げられていたが、それよりも彼の美意識にとても興味が湧いた。

何より雑誌インタビューでの「その人の生きてきた過程がすべて現れる」といった言葉が気になった。

NHKで再放送されたドキュメンタリー番組も観たけれど、顔を再現するにあたっての様々な道具を使って細部まで作り込んでいく様、
幼い頃から、人の「表」「裏」の顔を見ていたという経験から「顔」に興味が湧いたという話が印象に残った。

すぐにインスタグラムをフォローした。


『The Human Face』

この短編ドキュメンタリーにはゲイリー・オールドマンギレルモ・デル・トロが出演し、
映画『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 (”DARKEST HOUR”) 』、『シェイプ・オブ・ウォーター』での仕事について語っていた。



このドキュメンタリー内で描かれる彼は2種類存在するように思った。

「特殊メイクアップアーティスト」と「アーティスト」、

2012年に映画界を引退し、現代美術家へと転身したという経歴の存在は勿論だが

人間の表面に現れる「内面」を探るとき、そして造るときに、彼は「アーティスト」なのだと感じた。

表面に現れる微細な特徴がその人の内面の何を意味するのか、
それを捉え、解釈し、再現していく様をこのドキュメンタリーで観る事ができた。


今回のドキュメンタリーで「自分の人生の時間を使って作った」という話をしていたが、

NHKのドキュメンタリーでも自分の作品について「これが自分の墓であるも同然」といった旨の話をしていたり、

限りある時間に対する意識がとても印象に残った。




正直14分では足りないくらいだったし、もっと作り上げる様子を観ていたかった。


他者の内面に対する深い理解を、彼の作品は内包しているのだと感じた。

このドキュメンタリーを観る機会があって本当に良かった。
2020年に東京で個展を開催予定とのことだが、ぜひ作品を実際に観て、意匠を感じ取りたいと思う。







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ドキュメンタリーでの意味を汲み取るあまりに全然自然じゃない文章になってしまった。

2年後にどうなってるのかなんて分からないけれど、個展には絶対行くんだろうな。

このドキュメンタリーとNHKのドキュメンタリーを観た後では開催を楽しみに待っているなんて言ってられないし

今している目標に向かっての努力を続けていたい。